「サイトにグーグルアナリティクスを取り込んで、たくさんのデータを閲覧できるようにする」というところまでたどり着くのはそれほど難しくありません。
しかし、そのデータを分析するにはコツがいります。
グーグルアナリティクスで分析をするときに大事になるのが「セグメント」です。
セグメントを活用することで、ユーザーもしくはセッションごとにデータを閲覧することができるようになります。
セグメントを使うことで、一例として
・広告媒体別のセッションにおいての差
・購入するアクセス者としないアクセス者の差
などを知ることが可能です。
ここでは、グーグルアナリティクスで分析をするために重要な「セグメント」の詳細や使用方法などに関してお伝えしていきます。
コンテンツ
セグメント機能の重要性
「どのようなディメンション(分析軸)を用いるか」というのが、グーグルアナリティクスの分析をする上では大事です。
一例として、上の画像のように、エリア(地域)のディメンションを使うと、地域に関してどのような偏りがあるかを探ることができます。
これだけでも特定のエリアの偏りは判明しますが、さらに細かくユーザーの偏りを把握するには不十分です。
ですが、セグメント機能を使うと、「用意されているディメンションではない分析軸でデータを抽出する」ということが可能です。
単なる集計データやアベレージだけでは、ハッキリとした偏りが分からない場合もあります。しかし、セグメントによって「データを特定の属性別に分割する」ことによって偏りが見えてきて、改善できるケースが大半です。
一つ例を挙げてみます。
(実際にこういったデータが存在するわけではありません。解説のために用意した架空のデータです)
エリア ユーザー数 コンバージョン率
アメリカ 1000 10パーセント
インド 1000 10パーセント
このデータからは「インドとアメリカのコンバージョン率は同じである」ということしか分かりません。
しかし、ここで「性別」のセグメントを取り入れると別のことが分かります。
エリア 性別 ユーザー数 コンバージョン率
アメリカ 男性 500 14パーセント
女性 500 6パーセント
インド 男性 500 10パーセント
女性 500 10パーセント
性別のセグメントを導入することで、「アメリカの男性のコンバージョン率は高く、女性のコンバージョン率は低い」という事が判明しました。
セグメント機能を使うことで、「改善点がどこにあるのか」などをより詳細に把握することが可能です。
セグメント機能の使用方法
グーグルアナリティクスには20種類程度のコンバージョンに関係するセグメントがあります(デバイス別、流入経路別など)。
セグメントを追加する方法は以下の通りです。
1:「セグメントを追加」を選択する
2:表示するセグメントをチョイスして「適用」を選択
※ここでは「コンバージョンに至らなかったユーザー」と「コンバージョンに至ったユーザー」をチョイスしています。
3:チョイスしたセグメントに沿った内容を閲覧できます
選んだセグメントを画面から消すには自分で削除をしなければなりません(それまでは消えません)。
一つのページでチョイス可能なセグメントは最大4種類です。
セグメントを自作する手順
デフォルトのセグメントは当然全て使えますが、セグメントを自作して追加することも可能です(アドバンスセグメント)。
アドバンスセグメントを作る手順を挙げていきます。
「セグメントの追加手順」の手順2のページで「+新しいセグメント」を選択します。
ここからはアドバンスセグメントの活用事例を挙げながら解説していきます。
活用事例:同世代の男女を比べてみる
一例として、「20代後半~30代前半」という世代に関して考えるとしても、性別によって偏りが全く違う場合があります。
逆に「アクセス数は男女であまり変わらないが、男性でよくアクセスする世代と、女性でよくアクセスする世代が違う」などのこともあり得ます。
そのようなケースでは、セグメントに2つ以上の条件をつけることで、「同世代の男女をそれぞれ比べる」ということが可能です。
「ユーザー属性」タブで「25-34」を選択、性別「Female」を選択します。
そして、好きなセグメント名を打ち込んだら、「保存」を選択します。
男性についても同じ手順で行ってみましょう。
これで、それぞれのデータが出ます。
これなら簡単に比べることが可能ですよね。
セグメント追加ページの「カスタム」に、新規に作ったセグメントが記録されており、常時削除・追加することが叶います。
セグメントを簡単に作成するには?
しかし、セグメントを全て自分で作成すると時間がかかります。
そこでおすすめなのが「ソリューションギャラリー」です。
ソリューションギャラリーから、「たくさんのインターネットユーザーが登録したセグメント」を取り出すことができ、それらをそのままあなた自身のアカウントで使うことが可能です。
「信頼できるセグメントなのかどうかが心配」という方は、グーグルアナリティクス等のアクセス解析に関して信用性の高い「運営堂」というところのセグメントを使ってみることを推奨します。
ただし、グーグルアナリティクスの仕様が変更される場合もあるので、機械的にセグメントを使うのではなく、「どのようなセグメントなのか」をきちんと分かった上で用いるようにしましょう。
広告配信にセグメントを活用するには?
「グーグル広告で使えるユーザーリスト」をセグメントから作ることが可能です。
ECサイトを例に挙げてみます。
一例として、「ある一つの分野の商品を盛んに閲覧していたものの、買いはしなかったユーザー」は、恐らくその後も買おうかどうか悩み続けていると言えます。
そういったユーザーに対して、その分野のリマーケティング広告を見せるために、カテゴリのURLを選び、「その分野のページ閲覧数が一定数を超えているユーザー」を集めたリマーケティングリストを作る、などの戦略があります。
また、「新規アクセス者に広告を出すこと」にウエイトを置くために、一例として「1カ月で10回を超えてアクセスする人」には広告を出さないようにする、といった事もできます。
1:セグメント設定ページの「アクション」から、「オーディエンスを作成」を選択する
2:「リストにユーザーを残す期間」と「オーディエンスの名前」を決めてから、「次のステップ」を選択します
3:「宛先を追加」から追加希望のグーグル広告アカウントをチョイスして、「公開」を選択します。
※「3」を実行する前に、「グーグルアナリティクスのアカウント」と「公開先のグーグル広告アカウント」を連携させておかなければなりません。
連携手順はこちらで紹介しています。
参考:グーグル広告アカウントとグーグルアナリティクスの連携方法|グーグル広告ヘルプ
グーグル広告の「オーディエンスマネージャー」から追加済のオーディエンスをチェックすることが可能です。
セグメントを使って分析すると改善点が分かる
セグメントを適切に使うことで、「売上」や「広告の効果」が変化した際に、
・エリアごとの差があるのか
・年齢ごとの差があるのか
・性別による差があるのか
などを細かく分析していくことができます。
改善点を見つけて、効果的なブラッシュアップをしていくためにもセグメントを使いこなせるようになりましょう。