「サイトにアクセスした人のうち、成果(コンバージョン)に繋がった人の比率」のことをコンバージョン率と言います。
一例として、「広告が100回クリックされて、そのうち1人が商品を買った」場合のコンバージョン率は1パーセントです。
ここでは、コンバージョン率の平均や算出方法、SEOやネット広告等のネットマーケティングにおいてコンバージョン率をどのように考えていくべきかなどについてお伝えしていきます。
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コンバージョン率とは?算出の仕方は?
「オーガニック検索や広告等のサイトアクセス数に対し、コンバージョンに繋がった比率」のことをコンバージョン率と言います。
一例として、サイトアクセス数が「100」で、「アクセス者が利益に繋がる行動をした回数」が「1」の場合、コンバージョン率は1パーセントという計算になります。
また、コンバージョン率が2パーセントのサイトと、1パーセントのサイトがある場合は、前者のほうが効果的に稼げているという事になります。
「後者のほうが改善すべき部分が多い」と考えることもできます。
この場合、コンバージョン率が低いサイトに集中的に手を加えていけば良いかというと必ずしもそうとは言い切れません。
コンバージョン率が高いサイトに力を注いだほうがトータルでの利益が高くなることもあります。言い換えれば「短所を消すよりも、長所を伸ばすことに集中したほうが良いケースもある」ということです。
リスティング広告におけるコンバージョン率の目安・平均・捉え方
まず、「インターネット上のサイトの、コンバージョン率の平均」を単純に算出することはできません。
一例として、リスティング広告に関しては、「リンク先ページ」「広告の文章」「検索ワード」など、色々なファクターが関わり合ってコンバージョン率が決まります。
ただ、「業界別・グーグル広告の平均コンバージョン率」がワードストリームのリサーチにより判明していますので、一応の目安にはなるかもしれません。
「擁護団体」業界等は2パーセント以下ですが、「デート・出会い」業界は10パーセントに迫っているなど、かなりの差があります。
「なにをもってコンバージョンとするか」が異なりますので、業界によって平均コンバージョン率に差が出るのは当然のことです。
例えば、「ユーザーから相談が入る」だけでコンバージョン扱いになる業界であればコンバージョン率は高めになるでしょう。ですが、「ユーザーが商品を購入すること」のみをコンバージョンとするのであれば、コンバージョン率は低めになる事でしょう。
ディスプレイ広告のコンバージョン率が低い理由は?
「ディスプレイ広告のコンバージョン率」が「検索広告のコンバージョン率」よりも低いのは、「広告の出方に違いがあるから」です。
検索広告は、ユーザーが検索したとき、つまり「それ自体か、それに関するものを求めているとき」に出る可能性が高いです。
一方、ディスプレイ広告は、アプリケーションやブログ記事などを利用したり見たりしているときに出ます。
となると、検索広告に比べてコンバージョン率が低くなっても仕方がありません。
場合によっては、「こんなときに広告が出るなんて邪魔だ」と感じることさえあるでしょう。
ですが、ディスプレイ広告にもきちんと存在意義があります。
コンバージョン率は検索広告に比べて低くなりやすいですが、「検索広告と比較してクリック単価が低い」ことが多いため、検索広告と同レベルの成果を出すことができます。
つまり、「コンバージョン『率』が低いからといって、コンバージョンが低いわけではない」ということです。
人々がネット上で行う活動のうち、「検索以外のコンテンツ利用や閲覧」が9割以上を占めているとされています。つまり、「検索広告に比べて、ディスプレイ広告のほうが表示されやすい」という事であり、ディスプレイ広告のほうがクリックされる可能性のある機会が多いということが言えます。
したがって、ディスプレイ広告を活用すれば、「検索広告単体では働きかけることができなかった人」にアプローチして、さらなる顧客を獲得できるかもしれないのです。
ただし、「ディスプレイ広告では効果が出にくい(=コンバージョンに繋がりにくい)サービスや商品」も存在します。
ですから、あくまで戦略の一つでしかないと考えておきましょう。
リスティング広告のコンバージョン率をアップさせるには?
リスティング広告に関しては、「クリック数×コンバージョン率=コンバージョン数」という式が成り立ちます。
そして、リスティング広告を使う上では、コンバージョン率を上げて、コンバージョン数をアップさせることが非常に大事です。
コンバージョン率を高めるための方法を紹介します。
「因数分解的な考え方」でボトルネックを正していく
リスティング広告に関しては、「コンバージョン数÷クリック数=コンバージョン率」となります。
そのため単純に考えれば、「クリックの質を上げる(入り口を狭くする)」もしくは、「コンバージョンしやすい環境を作る(出口を広げる)」という方針を採るべきであると言えます。
入口を狭くするとは、例えば「『コンバージョンに繋がりやすいクリック』に絞る」などが当てはまります。
そして、出口を狭くするとは、例えば「サイトを修正して、アクセス者がよりコンバージョンしやすい状態を作る」などが該当します。
また、手段はたくさんありますので、要因に沿って適切なものを選びましょう。
上図を参考にして因数分解的に整理すると、「コンバージョン率に響いているのは、どの要素なのか」がすぐに理解でき、行うべき改善方法がはっきりします。
この因数分解をしない(しても精度が低い)せいで、的外れな取り組みをしてしまう人が多いです。「何かあれば因数分解的に考えてみる」という習慣を作りましょう。
リスティング広告にはターゲットのコントロールがしやすいというメリットがあり、入口を狭くする、もしくは広くすることがそれほど難しくありません。
ですが、出口に関してはサイトの調整が必要なケースが多いですし、広告主の協力がないとあまり踏み込んだ改善策を実行することができない場合があります。そのため、改善できたとしても時間と労力を要する場合が大半です。
状況に沿った方法を選べるように、最初に「このパターンであれば、この方法を使う」ということを可能な限りチェックしておきましょう。
コンバージョン率だけで全部が決まるわけではない
コンバージョン率は「こうなりました」という結果でしかありません。
つまり、「コンバージョン率を○パーセントにしたい」などとこだわり過ぎるべきではないと言えます。
一例として、「新規客を獲得することを重視する」となると、「コンバージョンしにくい客が増える」という事になりますから、コンバージョン率が落ちる可能性が高いです。
また、すでに出口の効率化が済んでいるのであれば、コンバージョン率をそれほど気にせず、新規ユーザーを獲得する(入り口を広げる)ことにウエイトを置いたほうがいい場合もあります。
コンバージョン率のちょっとした浮き沈みに振り回されないようにしましょう。
あくまで「サイトの質を表す数値の一つ」、「集客方法の参考になる一つの指標」くらいに考えておくべきです。